アメリカの長期金利がトランプ相場で上昇し、10年債利回りが2.558%。
米国では社債を発行して企業はお金を集めます。格付けの低い会社の社債がハイイールド債。
ハイイールド債は昨年から今年初めにかけての原油・資源安でその利回りが上昇していました(価格が低下していました)。その後の原油価格の安定とともにその利回りも落ち着いてきています。
今年夏場で長期金利は底を打ち、トランプ相場で長期金利は急上昇しています。長期金利の急上昇で国債価格は下落(利回り上昇)していますが、ハイイールド債(社債)は長期金利とのスプレッドを低下させて、利回りを維持(価格を維持)しています。
今12月の米国ハイイールド市場のデフォルト率は全体で6.7~6.8%近辺と、比較的高い値を呈していて、多くのハイイールド債発行企業がその債権の返済に困っているところ。
ただ、長期金利とのスプレッドを見れば、現在BB格のスプレッドは2%強といった感じであり、ハイイールド債の長期金利への上乗せスプレッドとしては結構低め。スプレッドは国債に対して、どれだけ会社が危ないかで変化します。会社が危ないと思えば、スプレッド(上乗せ金利)は上昇、会社が安全であればスプレッドは低下します。
で、今の高めのデフォルト率と低めのスプレッド。
1つの考えは、昨年12月のスプレッド急上昇局面(ハイイールド債価格下落局面)は結局今のデフォルト率上昇を織り込んだ上昇。今はデフォルト率は高いけれども、この後、原油価格も安定したし、OPECも含め世界は今後も資源価格を統制しそうだし、現在の低スプレッドを反映したデフォルト率に米国企業は来年早々に落ち着いていく。
もう一つの考えは、やっぱり何かごたごたがあって、スプレッドはデフォルト率を反映した方向に広がっていく(再度ハイイールド債価格は下落していく、、、か、、、ハイイールド債利回り自体でなく国債利回りが下落していく)。
株式市場含めて、どの市場でもトランプ相場の行方が割れた数値が多く出ていますが、ハイイールド債市場もスプレッド、デフォルト率が大きくかい離していて、どちらに向かうのか。
ハイイールド債市場は炭鉱のカナリアであれば、去年カナリアは今年に見た日経で言えば15000円割れといった事態を警鐘して鳴いていた。そしてカナリアは今はまだ、去年の痛手を引きずっているものの、この後の急回復を見込むといった感じに見えます。
ただ、ハイイールド債全体のデフォルト率の6.8%は結構高い値なので、これくらいまでデフォルトが出ている事態が本当にすんなりと落ち着くのかといった疑問のほうが、弱気な自分には大きく感じられます。やっぱり余力は少ないわけだから、もう少し、余震、本震があってもくらい。
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